leben.

loading...

Journal

目次の探検 上

  • 2022.06.18

全7章。
はじめに把握したのはその数字だった。

7と聞くと、ラッキー7とか、奇数とか、3と1と3だから、集合写真だと並びの中心に人がいるから安定するな、とか。そんな要らぬ妄想がふくらんでいく。

僕の癖として、数字をみると数字通しの関連性を作り出すクイズが無意識に始まってしまうので話しが、思考が飛びがちだ。とはいえ7は4番目の素数だ、という知的な香りがする妄想が出てこないのが悔しい。

そんな感じで話しが飛ぶ。
本題への道は長い。

目次にはセンスがでると思う。
はじめての本を読む時、目次とは道標のようなものだ。

水先案内が不明瞭だと困るし、本の漠然としたイメージを損なうものが出てきては読む気が失せてしまう。さて、この本はどうだろうか。

第1章は「海の怪物 −海馬の発見」で第2章が「二月にタツノオトシゴ(海馬)を求めて潜水を」だ。

導入がすごく良い。
僕は好きだ。

海の怪物の「怪物」という単語から、神経心理学者の本なのに、ほのかなファンタジーを感じる。本のタイトルが「海馬を求めて潜水を」なので、その熱量を帯びている。そして何と、第2章「二月にタツノオトシゴ(海馬)を求めて潜水を」で軽い伏線回収をしてくる。

脳の中の記憶形成に関与する部分がタツノオトシゴ(海馬)に似ているから、海馬(海馬体)という呼び名になったというのは知ってはいた。何より、この本の表紙にはタツノオトシゴのイラストが記載されている。だからだろう、海馬とタツノオトシゴが1章2章で並ぶと、不思議な納得感を感じた。
内容を読んでいないので勝手な想像だけど、記憶や脳のことを探る本だし、タツノオトシゴは海にいて、そこに潜るというのは記憶に潜っていくという表現に繋がっていくのだろう。

そんな第2章を終えると、今度は飛ぶのだ。
第3章は「スカイダイバーが最後に考えること」。
空だ。

どんな話しが来るのか、まったく想像できない。しかし、諦めるのは早い、そこにはキチンとヒントがある。各章にある「サブタイトル」という存在だ。サブタイトルは、潔く内容を指しているような気がしている。第1章は「海馬の発見」、第2章は「記憶は脳のどこに定着するのか」、第3章は「個人的な記憶とは」となっている。

サブタイトルを読むと、ここまでの役割が見えてきた(気がする)。
ここまでの目次情報で読み解くと、どうやら第1、2、3章で基本的な記憶の定着について語ってくれているみたいだ。第4章は117ページからなので116ページまで読むと、この本の基本知識であり掴みの部分なのだろう。

よし分かった。
次は第4章から第7章までの目次を読んでいこうと思う。
最後に、この原稿に出てきた素数は、2と3と7で、116や117が素数だったら美しかったのにな、と悔しく思う。

comment-author
Akihiro Yamaguchi

leben編集長



他の記事をみる

Drop us a line

Please contact us via DM on Instagram.